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【Column】キッチンカーを呼ぶ方法~トライアル出店~|こちる cochill juice

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今月は、とある企業様よりの依頼で、キッチンカー誘致にむけたトライアル出店に参画させて頂きました。
企画の段階からお声がけ頂き、当店にとっても貴重な経験を積ませて頂きました。
検討の経緯からトライアルの内容について、以下にまとめさせて頂きました。

キッチンカー誘致の検討経緯

今回ご依頼を頂きました企業様は、都内で自社ビルをお持ちで、設計・施工から管理までを行っていらっしゃいます。
そのうちの1物件で、キッチンカーを誘致し、更なる収益化を図りたいとのことで、検討がスタートしました。

どんなキッチンカーを誘致する?

これまでキッチンカー事業者と関わり合いがなかった企業様にとって、キッチンカー事業者を探すのも、骨が折れる作業です。
今回のオーナー様のご要望としては、以下のようなキッチンカーであったため、主にSNSを通じて、来てほしいキッチンカー事業者へのお声がけを進めて頂きました。

こんなキッチンカーを呼びたい!

    丸の内に出店しているような、オシャレなキッチンカー
    においやけむりが気にならない、カフェ系キッチンカー
    ビル前の道路が広くないので、あまり大きくないキッチンカー

キッチンカーを誘致するための事前準備

キッチンカー事業者へのお声がけと並行して、トライアル実施に向けた準備を進めていきます。

・キッチンカー誘致トライアル期間の設定
・キッチンカー事業者への希望曜日の取りまとめ・調整
・キッチンカー営業時間の調整
・キッチンカー営業にあたってのルールの取り決め
・入居テナント様への事前説明・承諾

 
上記がまとまってきたら、契約書の準備と、必要書類の回収に移ります。
契約書に記載すべき内容や、必要な書類については、過去のコラム「キッチンカーを呼ぶ方法~その6~」にまとめてありますので、ご覧ください。

トライアルの準備を進める中でも、予め想定されるキッチンカーを呼ぶ際の課題(懸念点)についても、ご説明をさせて頂いておりました。
今回のケースで想定された課題(懸念点)は、以下の通りです。

キッチンカーを呼ぶ際の課題(懸念点)※今回のケース
・トライアル期間が冬期(2月の1か月間)であるため、全体的に売上は見込みにくい
・周囲にコンビニ・カフェが点在しているため、カフェ系キッチンカーの売上はそれほど見込めない可能性がある
・キッチンカーの出店場所が路地裏に面しているため、認知には時間がかかる

 
あわせて、立地条件やお客様層から考えると、カフェ系キッチンカーに限らず、ランチ系キッチンカーを誘致することで、上記のような課題は緩和されるのではないか?というご提案もさせて頂きましたが、一旦は、そういう結果になるかどうかもあわせてトライアル期間で検証されたいとのことでした。

調整の結果、トライアル期間中は、5店のキッチンカー(タピオカ:1店・コーヒー:3店・フルーツジュース:1店)が出店することとなりました。

キッチンカー出店日当日

初回の搬入時には、オーナー様立ち合いのもと、停車位置の確認などをいたしました。
前の道路が狭い、敷地に入るときの段差が大きいなどの理由から、思ったより皆さん、苦労しながらの搬入となりました。
おおよその停車位置や、汚れ防止のシートを敷くことなどは予め定めていたものの、やはり実際にキッチンカーを搬入すると、新たな気づきがでてきます。
事前のお打合せで決めていた内容以外に、トライアル期間中には、こんなことを追加のルールとして定めました。

・バックをする際に背面壁への衝突を防ぐため、目印のコーンを置いてから搬入する
・搬入後ならびに搬出後は、既存テナント様の案内看板を元の正しい位置に戻す
・キッチンカーの看板を出すときは、ビル入り口や他の案内看板と重ならない位置に設置する

 
キッチンカー事業者としては、少しでもキッチンカーを目立たせたい、買って頂きたい、と思ってしまいますが(当然ですが)、既存のテナント様や、来客の方にご迷惑をおかけすることなく、気を配りながら進めることが大切だなということを改めて認識することになりました。

トライアル期間・各キッチンカーの状況

ひとくくりにカフェ系キッチンカーといっても、個々の特長が現れた結果かなと思います。
例えば、タピオカやさん。これまで、平日のオフィス街では、なかなか思ったような売上を作るのが難しかったとのことでしたが、こちらの現場の場合、近隣には、オフィスビル以外にもクリニックや時間貸しの自習室などがあり、比較的若い方々が多く通行することから、他のオフィス街に比べて、数倍の売上となったとのことでした。
一方、コーヒーやさんについては、想定はしていたものの、やはり苦戦を強いられる結果となりました。
キッチンカーはテイクアウト専門になってしまう中、周囲にコンビニが点在しているこちらの現場では、なかなか購入に至らなかったようです。
お店のコンセプトやこだわり・クオリティがお客様に伝わるには、ある程度の期間、出店することも必要になってくるかと思いますし、キッチンカーの誘致場所によっては、座って飲食ができる環境(イスとテーブルがベストですが、困難な場合、ベンチだけでも)を用意できると、立ち止まって頂ける確率は上がってきます。
そのような環境がない場合においても、キッチンカー事業者ができる工夫としては、ごみ箱の設置。
見栄えや、他のごみを捨てられたらいやだな…なんて思いから、お客様からわかりにくいところにごみ箱を置いていませんか?
あえて、ぱっと目にはいる場所にごみ箱を置くだけで、「ここでさっと飲んで(食べて)いこう」というお客様の心理を引き出すことができます。コストも労力もかからないひと工夫で、売上アップにつなげることもできるのです。

トライアル期間を終えて(今後のキッチンカー誘致の検討)

1か月間・5店舗で実施したキッチンカーのトライアル出店。最終日には、各店舗アンケートを提出し、今後は、オーナー様での本導入可否を検討する運びとなっています。
当店からは、やはり立地条件等を鑑みると、ランチ系キッチンカーを呼んだほうがよいのではないか?というお話を再度させて頂きましたが、やはり、においやよごれが気になるとのことでしたので、この点は、検討継続となりました。
その他、手数料の考え方については、以下の通り、当店としての意見をお伝えさせて頂きました。

●手数料の考え方
 …月額固定と歩合については、当店からは、月額固定をお勧めさせて頂きました。
●支払いサイクルについて
 …月額固定にしたうえで、前払い方式にした方がよいのではとお伝えさせて頂きました。

月額固定・先払いとすることで、オーナー様としては、以下のようなメリットがあるためです。

●毎回の売上報告や、請求書発行事務が不要となる
●手数料未払いの場合、出店を停止することができる

また、手数料の金額については、オーナー様のお考えとしては、カフェ系キッチンカーに限定した場合、ランチ系に比べて売上額が小さいので、かなりお安くしないと(例えば1,000円/回など)、応募が集まらないのでは?と懸念されていました。
しかし、オーナー様にとっても、キッチンカーの誘致には一定量の事務作業が発生しています。大変ありがたいスタンスではありますが、オーナー様にとっての、当初の目的である「更なる収益化」としてのキッチンカー出店が達成できる内容で、(社内事務にかかるコストを勘案したうえで)手数料額の決定をされたほうがよいのではというお話をさせて頂きました。

無添加フルーツジュース専門店・こちるでは、今回のような、キッチンカーの誘致を検討しているテナントオーナー様やイベント主催者様からのご相談・トライアル実施のご用命も承っております。
(イベントについては、とあるNPO法人様との企画があったのですが…、昨今の新型コロナの影響で、イベント自体の開催が見送られてしまったため、皆様にお披露目ができないままとなってしまいました。とっても残念です…。一日も早く、みんなが笑顔で楽しくイベントに参加できる状況に戻れることを、切に願っております。)

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