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一部商品 価格改定のお知らせ

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気がつけば、今年も残すところあと1か月。
毎年感じることですが、本当に1年はあっという間ですね…!
当店は、来月1月24日に5周年を迎えます。何とかここまで続けてこられたのも、ひとえにお客さま、仕入れ先の農家さんはじめ関係者の皆さま、スタッフちゃんたちのおかげです。
本当に、いつも支えてくださり、ありがとうございます。

当店はオープン以来、フルーツジュース各種は350円(税込)~にて販売させて頂いておりました。これまで何度も値上げを検討しては見送ってきた経緯がありますが、今回5周年を迎えるにあたり、もう少し長くお店を続けよう。そのためにしなければならないことを整理し、2024年12月1日より、一部商品の値上げをさせて頂く運びとなりました。

ご理解のほど、何卒、よろしくお願い申し上げます。

この度の価格改定について、少しお話をさせて頂きますね。

創業時の想い

各メディア等でお話をさせて頂いております通り、私がフルーツジュース屋さんをオープンするきっかけは、自分自身の体験にあります。
会社勤めをしていた頃、外回りの合間に、駅などのジューススタンドに立ち寄る機会が多かった私。あるときは、自分に気合いを入れるための一杯。またあるときは、頑張った自分へのご褒美。私にとって、フルーツジュースは大切な気持ちのスイッチを入れるものだったのです。
そんな日常にあったフルーツジュースだからこそ、自身のお店は、観光に出かけた際や特別な日に購入するものではなく、「毎日でも飲みたい」フルーツジュースのご提供にこだわってきました。
そのこだわりのひとつが、価格だったのです。
当店の倍のお値段のジュースはたくさんあります。
「この品質と金額じゃ、全然利益ないでしょう?」と仰って頂くことも、多々あります。
ちょっと頑固な私は、自身が消費者だったら嬉しい価格、にこだわりすぎていたのかもしれません。

苦しい物価高

新型コロナウイルス流行の後は、皆さんもご存知の通り、物価高の影響が飲食店を苦しめています。
例えば、当店の場合、5年前と比べて…人件費は15%の上昇、原材料費は2~3倍の上昇となっています。キッチンカーのガソリン代や、農家さんから送って頂く食材の配送料の値上がりも、ばかになりません。
かといって、仕入れ価格をはじめコストが増えた分をそのまま販売価格に転嫁することは難しい。コストを抑えるために、できる限りの対応を重ねてきました。
値上げをしない代わりに、商品の分量を減らしたり(実質、値上げですが)、品質を落とすことはしない。なので、仕入れ先や原材料を変えることはしていません。

コスト削減の一例は以下の通り。
●キッチンカーの出店料を抑えるために、仲介業者経由での出店に頼らない。
…仲介業者経由での出店は、売上15~20%が相場となっています。原材料費と手数料だけで販売価格の半分のコストがかかってしまいます。
そのため、ホームページのSEOに力を入れたり、毎日のSNS発信やリレーションによって、出店料がかからない出店依頼を増やす努力を続けてきました。

●通勤の交通費の削減
…毎日の通勤交通費も、チリツモなコストです。
私の場合は、公共交通機関で移動すると、一日往復220円・月に5,720円・年間68,640円にもなります。そのため、毎日の通勤は自転車としています。

●銀行振込手数料の削減
…当店のメインバンクでは、他行宛振込手数料は1回あたり770円。
自分の口座へ売上の入金するにも手数料がかかる時代です。スタッフちゃんへの給与支払いや仕入れ先の支払いについて、可能な限り、現金でのお支払いに協力してもらっています。
これだけでも、年間10万単位でのコスト削減となります。

元々、食品ロスはほぼない当店ですので、道具は大切に扱って長く使う、備品はまとめ買いで送料無料にする、メモ用紙はカレンダーの裏紙を再利用する、といった本当に細々としたコスト削減を続けています。

値上げの決意、そのきっかけ

まわりのお店さんとお話をしていても、値上げをしたほうがいいよとアドバイスを頂く機会が増えました。
そんな中、とあるお店の店主さんから、核心をつく一言が。
「このままで、店舗を継続していくモチベーションを保てるの?」
このお店では、3日間手作業で仕込んだ本当に美味しい料理を提供されています。原材料も仕込みの工程も妥協せず、お店を続けていらっしゃいました。ある時、何のために料理を提供しているのかなと考えてしまったそうです。
そして、私に対して、「毎日十何時間も働いて、定休日は別の仕事でフルタイム勤務でしょ。いろんなコストを切り詰めて必死に働いて、そんな状態で、お店を続けられるの?
値上げの決断を悩む気持ちはわかる。あがったコストを賄えるほど値上げはできないけど、少しはモチベーションを保って仕事に向き合えるようになるんじゃないの?
常連さんが多いこちるさんなら、お客さんもみんな分かってくれるよ。」
と仰ったのでした。
毎日クタクタな生活を続ける中で、どこかで5年間お店を続けた自分に及第点をあげて、ラクになってもいいんじゃないかな?という考えがあったのも事実。(一般的に、飲食店の3年以内の廃業率は70%と言われています)
けれど、先述の店主さんからの言葉で、もう少し、頑張ってみようかなという勇気をもらったのでした。

やっぱり怖い、値上げの影響

色々と悩んで値上げの決断をしたものの、やはり売上への影響を考えると怖いです。
私がよく利用していた駅のジューススタンドはほとんど姿を消し、デパートやショッピングモールのジュース屋さんは大手のチェーン店ばかり。
個人の飲食店は、まだまだ厳しい状況が続きますが、もうひとふんばり!頑張って参ります。
これからも、こちるをどうぞよろしくお願いします。